4月24日(土)、オンライン歓迎会に参加しました。
私は人見知りで積極的に人と話すのは苦手なのですが、新組合員Dさんの歓迎会ということで、参加することに決めました。
歓迎会では様々な話題に触れましたが、Dさんの職場でのパワハラ問題が一番印象に残りました。
Dさんは、パワハラだけにはとどまらない非常に過酷な職場環境に置かれていて、お話を伺って本当に強い憤りを感じました。職員に罵詈雑言を浴びせるこの弁護士に、人の尊厳を踏みにじるなと面前で叫んでやりたい心境になりました。
過酷な職場環境にいる人の心は、確実に蝕まれていきます。
私は組合に助けられた者の一人で、自身の状況を聞いてもらえただけで気持ちが軽くなったことを憶えています。今回の歓迎会のみならず、おしゃべりサロンなどで悩み苦しんでいる方々の気持ちが、少しでも軽くなっていたらいいなと思いました。
話す。
聞いてもらう。
些細な事ですが、気持ちを穏やかに保つためにはとても大事なことだと思った歓迎会でした。
(組合員Tさんによるレポート)
今すぐ Check!?
あなたの労働条件は?
知ってるようで知らない!? 労働条件
今日から法律事務所で働くことになったあなたは、一定額の給料と労働条件の下に自分の労働力を雇い主である弁護士に提供することを約束する、「労働契約」を結んだことになります。
というと、何やらムツカシク感じますが、あなたが働くことによって得られる給料は生活の糧。そしてこの給料を得るための『労働条件』は生活スタイル全体を、更には一生をも左右するとても大切なものなものです。
あなたは自分が働く法律事務所の労働条件をよく知ってますか?
もし「よくわかんない・・・・」というのであれば、後々のためにキチッと確認しておきましょう!?
愛知県弁護士会が会長名で出している、労働条件の明示等を内容とする文書「法律事務所職員の待遇等についてのご連絡」(末尾資料参照)にもある通り、雇い主は労働者を雇い入れる時に、仕事に関すること、労働時間(始業、終業時刻、休日等)、給料その他の条件をハッキリと示さなけらばならないことになっています。
そしてもし、実際に働いてみてこの条件と違うとき、あなたの方からすぐ契約を解除することもできるんですよ。
9 to 5? 労働時間
24時間働けますか?(かなり古い?)の生活を一生続ける・・・・そんなムナシイ人生を送りたくないあなたは、休暇や労働時間にも関心を持っているはず。労働時間の原則は、1日8時間=1週40時間となっています。
そして、労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を仕事の途中に取れることになっています。
1日中ずーっと仕事をしているとホントに心身共に疲れますよネ。木・金曜日頃にはグッタリして、土日の休みが待ち遠しくなる・・・・。毎週少なくとも1日の休日を取ることは当然のこと。今では週休2日制の法律事務所が東海地域でも約9割に達しています。
このような休日の他にも、毎年一定日数の有給休暇を取れる年次有給休暇制度があります。これは、6カ月間続けて勤務し, しかも8割以上出勤した場合に10日を、その後1年を経過するごとに加算する日数を、最高20日の限度内で、有給で取れることになっています(下表の通り)。もちろん利用目的はあなたの自由です(しかしヨーロッパではこんなに細かい条件はなく、年休もなんと6週間が一般的!)。
そうはいっても、小規模事務所の場合、有給休暇を取ることは大変なことです。そこで、労基法第39条第5項で、労使の話し合いにより、有給休暇の日数のうち5日を超える分については計画的付与を認めることになっています。つまり、雇用者と相談して、ゴールデン・ウイークの谷間とか飛び石連休の中日などに有給休暇を取ることを前もって決めておけば良いのです。この方法なら、業務に支障を来す可能性がかなり少なくなりますよね。
短時間労働者(パート)の場合の年次有給休暇の付与日数
労使の協定で、1年に5労働日を限度として時間単位で年次有給休暇を取得することができます。
労使協定で必要な事項は、
① 時間単位付与が認められる労働者の範囲
② 時間単位付与が認められる年次有給休暇の日数(5日以内)
③ 時間単位付与が認められる年次有給休暇1日の時間数
④ 1時間以外の時間を単位として付与する場合のその時間数
で、これらを締結することが必要です。
午前中だけ休みたい、この日はどうしても早く仕事を終えて帰りたい、というような場合に有効に有給休暇が利用できるのは、働く者にとってたいへんなメリットですね。
生活のガソリン 『給料』
私たちの生活のガソリンとも言うべき『給料』は、通貨で、直接その全額を、毎月1回以上、一定の期日を決めて支払われることになっています。
そして、残業や休日労働など、法定労働時間を超えて働いているときには、雇い主は「通常の労働時間又は労働日の賃金(家族・通勤手当などを除く)」の計算額の2割5分以上の率で計算して、割増賃金を支払わなければなりません。タダ働きしていませんか? また、私たち東海法労は、課税最低限賃金との関係で、月額15万円以下の労働者をなくすことを求め、せめて賃金センサス並の賃金体系を求めて頑張っています(末尾資料の年齢別基本給モデルを参照して下さい!)。
みんなの力を一つにして
最後に、一番大切なことは、私たちは労働組合に入って自由に活動する『権利』をもっているということです。
雇い主が労働者に対して、組合に入っているからといってクビを切ったり、給料や一時金の差別をしたりすることは許されません。
私たちの持っているこのような『権利』は、働く人々が多くの年月をかけて力を合わせて実現させてきたものなのです。
たった一人で雇い主である弁護士にモノを言うのはとても勇気のいることです。「もっとこうしてほしい」ということがなかなか言えず、グッとガマンしている事務職員さんも少なくないはずです。
私たち東海地域の法律関連事務所で働く事務職員さんによって構成されている『東海地域法律関連労働組合』は、できればあなたにも私たちの仲間になっていただき、いっしょに『労働条件』や『給料』のことだけでなく、事務職員どうし、悩みや希望を出し合って、「入って良かったこの業界!」と思えるような、元気でイキイキ働ける職場、事務職員がキラキラと輝いて生きていける、そんな業界を目指していきたいと願っています。
一人一人の力は小さくとも、みんなの力を合わせたとき、初めて大きな力となるのです。皆さんも私たちと一緒に歩き始めませんか!心からお待ちしています。
A 少人数の職場では就業規則の作成が義務づけられていません。そのため就業規則がない所も少なくありません。
しかし、就業規則の作成義務がなくても、労働基準法15条にもとづき、労働条件については書面で明示しなければならず、有給休暇もその一つです。
したがって、弁護士は事務職員に対して有給休暇が何日あるのかきちんとわかるようにしておかなければなりません。
しかし、実際にはそのようなことをきちんと説明していない職場もあります。そのような場合でも、労働基準法は10日以上の有給休暇が取れるよう次のように定めています。
継続勤務年数 取得できる有給休暇
6ヶ月以上1年6ヶ月未満 10日
1年6ヶ月以上2年6ヶ月未満 11日
2年6ヶ月以上3年6ヶ月未満 12日
3年6ヶ月以上4年6ヶ月未満 14日
4年6ヶ月以上5年6ヶ月未満 16日
5年6ヶ月以上6年6ヶ月未満 18日
6年6ヶ月以上 20日
あなたの職場に有給休暇の規定がなくても、少なくてもこれだけの有給休暇を取る事ができると言うことです。
なお、パートやアルバイトの人も有給休暇を取ることができます。
取得できる日数は週の労働日数によって次のように定められています。
有給休暇を取得する場合は原則として事前に雇用主に届出をします。
有給休暇の届出をしたときに、雇用主から「うちの事務所には有給休暇はない」などと言われて有休が取れないようなときは組合にご相談ください。
私の職場は弁護士1人、事務員1人の小さな法律事務所です。そのため、昼休みでも外出することができず(昼食を買いに行くのは許可されていますが、その場合でもできるだけ早く事務所に戻らなければなりません)、電話番をしながらお弁当を机で食べています。事務員が1人なので交代で昼食休憩をとるわけにもいけません。私はせめて休憩時間くらいは事務所から外出して自由に使いたいと思っているのですが、小規模な法律事務所なので我慢しなければならないのでしょうか。
A 「休憩時間はあなたの自由に使うべきです」
休憩時間は一日の労働が6時間を超え8時間以内の時は45分以上、8時間を超えるときには1時間以上の休憩を、労働時間の途中に与えなければならないとされています(労基法34条1項)そして休憩は使用者の指揮命令から離れることを本質とし休憩時間は自由に利用させなければなりませんから(同条3項)、休憩のための外出ができず、加えて電話番をしながら昼食をとるというのは「手待ち時間」、すなわち労働時間とみなされて休憩を与えたことにはならず、明白な労基法違反です。
休憩時間はあなたの自由に使うべきです。
Q3 ハローワークの求人を見て、面接をして採用されたのですが、実際働いてみると求人票の労働条件とかなり違いました。試用期間が終わり本採用になったら社会保険に加入してもらえると思っていましたが、未だ加入していません。求人票には社会保険加入と記載されています。法律事務所は社会保険に加入しなくてもよいのでしょうか?
A 社会保険のうち、全ての事務所に加入義務があるのは労働保険です。健康保険と厚生年金は法人化されている事務所は強制加入ですが、法人化されていない事務所は任意加入となっています。
しかし、求人票に「社会保険加入」と記載されていたのに、加入していないのは納得できません。採用時に給料や勤務時間、休暇などについて説明があったと思います(経営者は採用時に労働条件を明示する義務があるからです)が、その時の説明が求人票と異なっていなかったでしょうか。社会保険の説明はあったでしょうか。その際に「求人票はこのようになっていましたが・・・」と尋ねることができれば良かったのですが。
今からでも遅くありません。思い切って尋ねてみるといいと思います。
「求人票では社会保険加入となっていましたがどうなっていますか。加入手続をしていいですか」と言ってみてはどうでしょうか。一人で交渉が難しいと言うことであれば組合も一緒になって交渉しますので、ご相談ください。