10月23日に10月例会として標題のテーマで学習交流会を開催しました(会場は名古屋北法律事務所、参加者は組合員5人)。
冒頭、講師としてお越しいただいた塩川さんから自己紹介。組合との出会いを語られました。
保健師として勤務される中で、脳血管疾患で体が不自由になった方を対象としたリハビリ教室を保健所が開いていても、患者さんんはアクセスの足がないため行けないという声を聞き、それはおかしいと組合員が職場で声を上げた。組合が住民のことを考えて、送迎のためのタクシー代、介助者のパート賃を勝ち取ったとのこと。その経験から組合は職場に必要だと感じ、長年組合に関わって来られたそうです。
ご自身のこととして、職場でおかしいと感じたことは、世帯主手当をもらうために、自分が世帯主なので申請をしたところ、職場には「世帯主は男性」と決めつける潜在意識があり、男性が世帯主の場合はすんなり通っていたのが、女性が世帯主だと夫の所得証明書が必要だと言われたそうです。それはおかしいと感じた塩川さんは、組合で声を上げます。男性はと言えば、奥さんの所得証明書を持って行くことは求められていませんから、男性は制度におかしな点があることには気付かない。女性にとっても、大体は夫が世帯主となっているので、制度におかしな点があることはわからずにきた。塩川さんが声を上げ、周囲の方たちもおかしいと認識するに至ったとのことでした。おかしいことはおかしいと言わないとわからない。だから組合で言ってみて、おかしなことは変えていこうと強調されました。
塩川さんのお話の後は、参加者一同、それぞれが今おかしいと感じてることや、質問などを出し合いました。
1. 海外では、身体的弱者に対して自然に手を差し伸べてくれる人が多く、そういう方たちは、自分にできることをしただけだと言う。日本は、制度は作るが、魂が無いと感じる。
2. 最近注目を集めている「見えない家事」ではないが、「見えない仕事」について、例えば消耗品を使用して無くなれば付け替えることはできても、ではそれを購入する仕事は誰がするのか。職場では気付いた人がする、気が付く人はいつも同じで、気が付かなければその仕事があることさえも気が付かない。気が付かない方は経験不足から購入という仕事があることに意識が行かない。想像力が不足しているのかもしれないが、言われないと分からない。言ってほしい。
3. 大学が女子校だったのだが、地域柄なのか、親に「女の子だから親元から通える大学へ」と言われ、もっと高い学力の大学へ行ける可能性があっても、地元の女子校へ通っている。いま、ジェンダーが指摘される時代になっており、女の子だからといって親が離さないのはおかしい。
4. 職場で、育休のオプションとして時短で帰る人がいる場合、その人がいない時間帯に繁忙感があると、「いつまで時短なの?」などと言い出す人が出てくるが、それは時短の人が悪いわけではない。人材不足であって、経営側(公務員であれば自治体行政全体)の問題なんだ。
・・・などなど、時間内では足りないくらい、忌憚のない意見交流ができました。
組合でおかしいなと思うことを出し合い、話し合うことによって、本質を見失いがちな事柄は理解し合えたり、解決できると思えました。
講師の塩川さんは、組合の在り方を教えてくださったと思っています。私自身、見方が変わりましたし、このような話し合いは、実はとても大事なことなんだと改めて感じ、大変勉強になりました。
(組合員Iさんより)